会長 川田一光

 昨年も6月、8月の大雨、9月、10月の台風と災害が相次ぎ、多大な被害がありました。被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。幸い青果卸売市場への影響は小さかったと承知しますが、産地の被災で、集荷にはご苦労があったと思います。地球規模での気象変動が増す中、災害は今後も頻発すると予想され、しっかりと対策を立てておくべき必要性を再認識致しております。
 さて、当協会会員の経営動向を見ますと、平成30年度決算では総売上が2兆1600億円、対前年5%減の中で営業利益が僅か23億円、しかも対前年51%と極めて厳しい状況にあり、令和に入りましても価格は低迷し、厳しい状況が続いております。しかしながら、こうした時期にこそ、後述する新たな市場ルールにも対応して社業を見直し、新たな商機を切り拓く好機と考え、各社のご奮起を期待しております。
 こうした中、青果卸売業を含め食品関連業界は、今、多くの共通の重大な課題を抱えています。具体的には、まず、全ての企業へHACCPの義務づけを行う食品衛生法の改正が本年6月に施行されます。これに伴い、青果の卸売業においても食品等流通合理化促進機構の作成された手引書を基に衛生管理計画を作成し、実施することが求められます。消費者が食品の安全・安心に向ける目は益々厳しくなっており、手を抜くと企業の存続にも関わりかねないため、丁寧な対応が必要と考えます。
 また、トラックドライバーの人手不足が深刻化する中で、特に食品の輸送は手荷役作業が多い、小ロット多頻度輸送が多い等の事情から取り扱いを敬遠される事例が出てきているため、食品流通の合理化について三省庁合同の検討会で具体策の検討がされており、当業界としてもこの検討に積極的に参加し、具体策についてできるところから対応していきたいと考えています。この他、課題を数えると枚挙に暇がない状況でありますが、企業の社会的責任が問われる中で、青果卸売業界は一丸となってこうした要請に応えていく所存であり、各位の御理解・御協力を賜るようお願い致します。
 また、何と申しましても、本年は、卸売市場にとって画期的な年となります。一昨年の卸売市場法の抜本改正を受けて、未来に向けた展望を持つ卸売市場を目指して、各市場ごとに新たな取引ルールの真摯な検討がなされ、早い所では既に議会で条例が可決されていますが、ほとんどの所は、これから議会への上程や業務規程の認定等の手続きを経て、いよいよ本年6月21日から新たなルールがスタートします。新たなルールの下で、我々青果卸売業者は、市場のメインプレイヤーとして、戦略的かつ主体的に取り組み、卸売市場の維持発展に尽力して参る所存ですので、関係の皆様のご指導・ご鞭撻を賜りますよう切にお願い申し上げます。

令和2年年頭所感より抜粋